缶バッジを制作する際、どのようにデザインを手がけたらいいのかわからない場合もあるのではないでしょうか。また、PhotoshopやIllustratorを使ったことがない人には、特にデザインは難しいと感じるかもしれません。
しかし、無料で利用できるCanvaを使うと、簡単にデザインが行えます。今回はテンプレートを使った缶バッジの印刷方法や、Canvaを使ったデザイン作成のメリットを紹介していきます。

テンプレートとは何?
テンプレートは日本語では定型文やひな形を意味し、「テンプレ」と略されることが多い言葉です。例えば、ビジネスの挨拶で使う定型文などでも、テンプレートが使われています。
企画書や請求書などの書類を作成する際は、事前に基本事項をまとめたテンプレートを作っておき、複製やコピーしてその都度必要な情報を書き加えて完成させられます。このように、テンプレートがあるとスムーズに効率的な仕事がこなせます。

テンプレートを使った缶バッジの印刷方法
缶バッジのデザイン作成では「Photoshop」と「Illustrator」の2種類がよく用いられます。どちらも自分で最初から缶バッジのデザイン以外の缶バッジの枠組みを作成すると時間がかかるため、テンプレートを使うことで効率的にデザイン作成と印刷が実現できるのです。
それぞれのテンプレートを使った缶バッジの印刷方法について、以下に説明していきます。
Photoshopの場合

参考:Adobe Photoshop公式アプリ – 最先端のAI写真&デザインソフトウェア
缶バッジのデザインは表面から見える部分のみではなく、缶バッジの側面から背後に回る部分である「まきしろ」も含まなければいけません。
まきしろをデータに組み込んで印刷すると時間がかかるため、テンプレートを利用して時間短縮すると効率的です。Photoshopでテンプレートを使用する手順は以下の通りです。
- テンプレートを使用し、まきしろ部分までデザインを行う
- 完成したデザインをPSDファイルにて保存
- PSDファイルをメール等で缶バッジ製作会社と共有
- PSDファイルを元に缶バッジにデザインを印刷して完成
また、Photoshopでテンプレートを使用する際の注意点は以下の通りです。
- テンプレートは指定されたもののみ使用する
- デザインをガイドレイヤーに配置しない
- データは300〜350dpi程度の解像度で作成する
- クリッピングパスは使用しない
- 塗りの合計値は300以下を推奨とし、カラーモードはCMYKにする
上記に気をつけないと缶バッジ制作会社はデザインを印刷できない可能性があるため、以上の点を理解しながら作成しましょう。
IIIustratorの場合

参考:IIIustrator
Illustratorでのデータ作成はPhotoshopと一緒で、まきしろ部分のあるテンプレートをしようします。
テンプレートがあると視覚的にデザインを配置してデータを完成させられるため、とても効率的に作業が進められます。Illustratorを使用する手順は以下の通りです。
- テンプレートを使用し、まきしろ部分までデザインを行う
- テキストを組み込む場合はアウトライン化する
- 完成したデザインデータをAIファイル(Illustrator CC以下)で保存する
- AIファイルをメール等で缶バッジ製作会社と共有
- 印刷データを作成する際に使用した画像も一緒に缶バッジ制作会社に共有する
- AIファイルを元に缶バッジにデザインを印刷して完成
また、Illustratorでテンプレートを使用する際の注意点は以下の通りです。
- テンプレートは指定されたもののみ使用する
- デザインをガイドレイヤーに配置しない
- データは300〜350程度の鮮明度で作成する
- クリッピングパスは使用しない
- 塗りの合計値は300以下を推奨とし、カラーモードはCMYKにする
以上の注意点をしっかりと理解しデザインを作成しないと、缶バッジ制作会社がデザインを受け取れない可能性があるので気をつけましょう。
なお、弊社が運営する「缶バッジ研究所」ではIllustratorのテンプレートを用意しています。⇒缶バッジ研究所のサイトはこちらから

Canvaの無料テンプレートを使って缶バッジデザインをする方法

参考:Canva
「Canva(キャンバ)」とは、Webブラウザで使用できるデザイン作成ツールです。会員登録すると誰でも無料でデザインの作成が可能です。
缶バッジの作成に使用したいワンポイントデザインや、丸型のテンプレートなど、さまざまなテンプレートが用意されています。
Canvaで無料のテンプレートを使用して缶バッジのデザインを作成する方法は以下の通りです。
- 缶バッジのデザインサイズをカスタムもしくは定型サイズから選ぶ
- テンプレートの検索ボックスから好きなキーワードで検索し、テンプレートを探す
- テンプレートを編集・素材やテキストを加えて編集し、デザインを完成させる
- デザインが完成後、共有から推薦された形式でデザインをアップロードする
デザインや素材は検索ボックスから好きな言葉で検索すると、さまざまなアイデアや理想のものが見つけられます。無料で手軽に缶バッジのデザインを作成したい人におすすめです。

Canvaを使って缶バッジデザインを作成する4つのメリット
Canvaを使って缶バッジを作成することによって感じられるメリットは、以下の4つです。
- 豊富なデザイン素材を利用できる
- PCや端末に保存されているデータも取り込める
- 自由自在に加工・編集できる
- SNSでシェアすることができる
無料でできるものだとデザインできる範囲や編集に制限がかけられる場合がありますが、Canvaでは誰でも簡単に缶バッジのデザインを作れます。Canvaを利用してデザインを作成するメリットの内容は以下の通りです。
1.豊富なデザイン素材を利用できる
Canvaは豊富なデザイン素材が揃っているため、おしゃれな缶バッジのデザインを作成可能です。素材の検索ボックスにキーワードを入れると簡単にデザイン素材を探せます。
丸型のフレームや星形、リボンやイラスト、キラキラ素材など、バリエーション豊かなものが揃っているので自在にデザインを手掛けられます。バナーや文字、イラストを使いこなすことで、缶バッジのデザインを誰でも簡単に手掛けられるのも魅力です。
2.PCや端末に保存されているデータも取り込める
Canvaは左画面にあるアップロード項目から、PCや端末に保存されているデータを取り込むことが可能です。
デザインをCanvasにアップロードしてテキストや素材を追加してカスタマイズしたり、フィルターを使って加工や編集してデザインを完成させます。また、完成したデザインは共有、SNSシェア、印刷して保存できます。
3.自由自在に加工・編集できる
Canvaは初心者でも簡単に使えるUIのため、機能ツールを使用して自由自在に簡単におしゃれな缶バッジをデザインできます。
デザインの明るさや彩度を変更したり、フォトジェニックやぼかしで違った雰囲気を作ったりすることが可能です。またフレームや素材を使ってデザインの色や大きさを自在に変えるなどのカスタマイズも行えます。
4.SNSでシェアすることができる
缶バッジのデザインが完成したら、共有からSNSへのシェアが簡単にできます。FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSへの共有や、高画質でのダウンロードを使えばホームページやサイトへのアップロードも可能です。
缶バッジのデザインをSNSで共有すると多くの人に見てもらえるきっかけになります。同じ缶バッジ制作者と繋がったり、デザインの意見を聞けたりするかもしれません。

缶バッジのデザインデータ作成のコツは3つ
次に、缶バッジのデザインデータ作成のコツについて解説します。
- まきしろとガイド線を意識する
- 天地を確認する
- 解像度やカラーモードの設定に注意する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.まきしろとガイド線を意識する
缶バッジを制作する際に、まきしろの処理は仕上がりの品質を左右する重要な要素の1つです。まきしろはデザインが側面から裏面へと巻き込まれる部分であり、これを考慮しないと意図しないトリミングが発生する場合があります。
このため、デザインデータを作成する際は、まきしろを含めた適切なサイズで作成してください。とくに、写真やロゴを配置する場合、見切れを防ぐために余裕を持たせるようにしましょう。また、ガイド線を活用すると、デザインの正確な位置調整がしやすくなり、仕上がりの精度が向上します。
2.天地を確認する
缶バッジのデザインを作成する際は、文字や画像の向きに注意が必要です。誤って上下が逆になったり、意図しない角度で配置されたりすると、完成品が思い通りの仕上がりになりません。
このようなミスを防ぐために、データ作成時には天地の確認を徹底しましょう。とくに、ロゴやテキストを含むデザインでは、すべての要素が正しく配置されているかを最終チェックしてください。適切な向きを確認しながら作成すれば、完成時に違和感のない仕上がりを実現できます。
3.解像度やカラーモードの設定に注意する
缶バッジのデザインを印刷する際には、解像度やカラーモードの設定が仕上がりを左右します。鮮明な印刷を実現するためには、解像度を300dpi以上に設定するのが理想的です。
また、印刷時の色味を正確に再現するためには、カラーモードをCMYKに設定しましょう。とくに、メタリックやホログラム加工を施す場合は、色を濃いめにすると美しい仕上がりになります。希望するデザインが正しく再現されるよう、適切なデータ設定を行いましょう。

缶バッジのデザインデータを作成する際の注意点
缶バッジのデザインを作成する際には、著作権や肖像権の問題に注意が必要です。著作権は創作者に与えられる権利であり、無断で使用すると法的な責任が発生する可能性があります。
また、肖像権は有名人や一般の方の顔や姿を無断で使用されないように保護する権利であり、これを侵害するとプライバシーの問題につながる場合もあります。とくに、販売目的での制作では、意図せず違法行為に当たるケースがあるため、慎重に確認しましょう。

オリジナル缶バッジの制作に「缶バッジ研究所」がおすすめな理由
「缶バッジ研究所」では、形状や素材に徹底的にこだわり、定番の丸型から特殊形状など、さまざまな缶バッジを取り扱っています。また、製造から発送までを自社内で完結しているため、低価格で高品質な商品の提供が可能です。
さらに「Japan color標準印刷認証」を取得しているため、安定した印刷品質で商品をお届けしています。⇒缶バッジ研究所のサイトはこちらから

缶バッジのテンプレートでよくある3つの質問
缶バッジのテンプレートでよく聞かれる質問は、主に以下の3つです。
- 缶バッジのテンプレートを使う際の注意点は?
- 缶バッジのデザインで注意すべき点とは?
- ホログラム仕様の缶バッジとは?
業者にデザインを依頼する場合は任せきりで安心できるものの、自分でデザインを作成する場合は疑問点がたくさん生まれます。その中でもよくある質問の回答について、以下に回答していきます。
質問1.缶バッジのテンプレートを使う際の注意点は?
デザインのテンプレートには2つの円形が描かれており、内側の円が缶バッジの表面から見えるデザイン部分です。内側から外側の円まではまきしろ部分になるので、缶バッジの側面に印刷されるため缶バッジの表面から見えません。
そのため缶バッジのデザインを作成する際は、デザイン部分とまきしろ部分を意識して作成することが重要です。
質問2.缶バッジのデザインで注意すべき点とは?
缶バッジのデザインをきれいに仕上げるためには、大きく以下の2点に気をつけましょう。
- 完成した缶バッジをイメージする
- 可能な限り高画質で作成する
缶バッジのデザインを作成しているときは、缶バッジの仕上がりイメージを持っておくことが大事です。缶バッジのまきしろ部分がどのように印刷されるのか、どの位置と範囲にデザインを缶バッジの表面に手がけたいのかを考えてみましょう。
また、たとえ缶バッジの印刷が高品質でも元の画質がよくないと、缶バッジのデザインがいまいちになります。画像を選ぶ際には画質は大丈夫か確認しておきましょう。
質問3.ホログラム仕様の缶バッジとは?
ホログラムはキラキラした光の干渉稿をフィルムで印刷することで、缶バッジのデザインを立体的に見せたり動きがあるように見せられます。見る角度で光り方が変わるので、子供向けの缶バッジとしてとても人気です。
ホログラムの缶バッジを作る際は、デザインとコントラストをはっきりさせることがポイントです。

まとめ
今回はテンプレートを使って缶バッジのデザインを仕上げる方法について紹介しました。PhotoshopやIllustratorを使う方法もありますが、Canvaを使用すると無料で簡単にデザインが可能です。缶バッジの印刷で失敗しないためにも、テンプレートを使用して効率的に缶バッジを作成しましょう。
なお、弊社が運営する「缶バッジ研究所」では、サイズや種類のバリエーションを豊富に取り揃えており、完全自社製造で高品質なオリジナル缶バッジをお届けいたします。
缶バッジ制作が初めてという方も安心してご依頼いただけますので、ぜひ一度ご相談ください。⇒缶バッジ研究所のサイトはこちらから
