クラウドファンディングで成功するためには、魅力的なリターン品(返礼品)の設計が重要です。本記事では、クラウドファンディングのリターン品の基本から、実際に話題を呼んだ成功事例10選まで詳しく解説します。これからクラウドファンディングに挑戦する方も、すでに計画中の方もぜひお読みください。

クラウドファンディングのリターン品(返礼品)とは?

参考:Makuake
クラウドファンディングでは、プロジェクトの支援者に対して感謝の気持ちとしてリターン(返礼品)を用意する場合があります。リターンの内容次第で支援を集めやすくなるため、魅力的で価値のあるものを設定しましょう。
たとえば、Makuakeで新製品を開発する場合は、その製品自体を特別価格で提供したり、CAMPFIREでは限定イベントへの招待といった体験型リターンを設けたりするのが効果的です。一方、READYFORのように寄付型が主体のプラットフォームでは、リターンが必須ではなく、感謝のメッセージのみで支援を受ける場合も可能です。
このように、利用するクラウドファンディングの種類やサービスによって、返礼の内容や必要性には違いがあります。支援者の関心やニーズを的確にとらえたリターンの設計が、プロジェクト成功につながるでしょう。

クラウドファンディングのリターン品(返礼品)の具体例は5つ
クラウドファンディングで支援者に提供するリターン品には様々な種類があります。それぞれの特徴を理解して、あなたのプロジェクトに最適なリターン品を検討してみましょう。
1.商品

参考:CAMPFIRE
クラウドファンディングで用意される返礼品の中でも、最も支持を集めやすいのが商品です。MakuakeやCAMPFIREといったプラットフォームでは、新商品そのものを特典として提供するケースが多く見られます。
たとえば、プロジェクトのオリジナルグッズや地域の特産品、数量限定の試作品など、支援者が手に取って体験できるリターンは特に魅力的です。中でも食品関連の返礼品は人気が高く、地元の名産や手作り商品は共感を得やすい傾向があります。
READYFORなどのサービスでも、支援の見返りとして具体的な商品を提供するので、より多くの人の参加を促せるでしょう。返礼品として商品を選ぶ際は、プロジェクトの世界観やターゲット層と合致する内容であるかを十分に検討し、支援者にとって価値ある内容に仕上げるのが成功への近道です。
2.金銭

参考:FUNDINNO
クラウドファンディングにおける金銭的なリターンは、FUNDINNOのような投資型プラットフォームで採用される場合が多く、プロジェクトによって得られた利益の一部を支援者に還元する仕組みです。
この形式では、支援者は単なる応援者ではなく出資者として扱われ、将来的なリターンを期待して資金を提供します。ただし、このリターンはあくまで事業が軌道に乗り、収益が発生した場合に限られるため、事業が失敗した場合には元本が返金されないリスクも含まれます。
CAMPFIRE Angelsのような投資型クラウドファンディングでも同様に、事業の成否に応じて支援者の利益が変動します。そのため、金銭のリターンを伴うプロジェクトでは、事前に事業計画やリスクについて明確な情報提供を行い、支援者が納得した上で参加できる仕組みづくりが求められます。
3.体験
CAMPFIREやMakuakeなどのクラウドファンディングでは、体験型のリターンが注目を集めています。これは、支援者がプロジェクトの世界観に直接触れられる機会として提供されるもので、たとえば「宿泊施設のモニター利用」や「限定ワークショップへの参加」などがその一例です。
特に、農業体験や地域の伝統文化に触れる内容などは、都市部の支援者にとって非日常性があり、高い関心を集めます。READYFORでもこうした体験型リターンは、プロジェクトへの共感を深める手段として有効です。
商品とは異なり、形に残らなくても強い印象を与えるのが特長で、プロジェクトの背景や思いを伝える手段としても活用されています。支援者との継続的な関係構築にもつながる点が、体験型リターンの大きな魅力といえるでしょう。
4.イベント参加

参考:READYFOR
クラウドファンディングで提供されるイベント参加型のリターンは、限定的な時間と空間でしか味わえない特別な体験として、支援者に高い魅力を与えます。CAMPFIREやMakuakeなどでは、完成披露会や関係者限定の交流イベント、プロジェクト発表会などが設定される場合もあるでしょう。
これらは一度きりの開催である場合が多く、希少価値が高いため、限定リターンとして人気を集めやすい傾向にあります。ただし、イベントリターンは会場手配や参加者の管理、スケジュール調整など準備が多く、実施には十分な計画と運営力が求められます。
READYFORでのプロジェクトでも、支援者と直接つながる機会として活用されるケースがあり、共感を深める手段として効果的です。イベント型リターンは、支援者との関係性を強化し、プロジェクト全体の印象をより鮮明に残す手法のひとつです。
5.コミュニティ加入
クラウドファンディングにおけるコミュニティ参加型のリターンは、MakuakeやREADYFORでプロジェクトの世界観に共感する支援者との関係を深める手段として活用されています。例えば、オンラインサロンへの参加権やプロジェクトの方向性に関する意見交換の場を設ければ、支援者は単なる出資者を超えて、継続的な関わりを持てるでしょう。
ただし、このリターンは一過性ではなく長期的な運営が前提となるため、起案者には継続的な発信やコミュニケーションが求められます。CAMPFIREでも、プロジェクトの理念や活動内容に共鳴する参加者を集めれば、信頼性や認知の向上に繋がるケースがあります。
コミュニティリターンはプロジェクトの魅力や発信力がある場合に効果を発揮し、共創型のクラウドファンディングを実現する手段といえるでしょう。

クラウドファンディングのリターン品の成功事例10選
クラウドファンディングで成功を収めたプロジェクトには、創意工夫あふれるリターン品が不可欠です。ここでは、支援者の心を掴み、目標金額を大幅に上回った注目の成功事例10選をご紹介します。
1.大分マリーンパレス水族館「うみたまご」のカワウソの手形

参考:大分マリーンパレス水族館「うみたまご」のカワウソの手形
大分マリーンパレス水族館「うみたまご」では、新型コロナウイルスによる来館者数の減少に伴い、生き物たちの飼育に必要な餌代を確保するためクラウドファンディングを実施しました。プロジェクトでは、水族館ならではの返礼品が注目を集め「ペンギンの足跡Tシャツ」や「セイウチの鳴き声音源」など、ユニークで希少性の高いリターンが話題となりました。
特に「カワウソの手形入り台紙」や「自然に抜け落ちたサメの歯」など、来館しなくても動物たちとのつながりを感じられる工夫が評価され、多くの支援を獲得しています。最終的には目標額600万円を大きく上回る約1,600万円の支援が集まり、プロジェクトは大成功を収めました。
ファンの支えが水族館の運営継続に大きく貢献した事例です。
2.大分県別府市「湯〜園地」

参考:大分県別府市「湯〜園地」
温泉と遊園地を融合させた斬新な企画「湯〜園地」は、クラウドファンディングを通じて話題を集めたプロジェクトです。当初は非現実的と見なされていたものの、YouTubeで公開されたユーモアあふれるイメージ動画が注目を集め、一気に支援の輪が広がりました。
用意された返礼品もユニークで「タオル型入園券」や「一番風呂に入れる特典」など、プロジェクトの世界観を象徴するものが揃っていました。その結果、1,000万円の目標に対して、実に3,396万円を超える支援金が集まり、構想は現実のものとなったのです。
この事例は、エンタメ性と発信力が組み合わされば、支援者の心を動かす大きな原動力になることを示しています。
3. 花譜さんの「ファーストワンマンライブ」

バーチャルシンガー花譜さんは、自身初のワンマンライブ開催を目指してCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施しました。リアルアーティストと異なり、仮想空間でのライブは映像演出や技術面で高い制作費が必要とされ、会場や機材の費用に加え、映像制作にも多くの資金が投じられました。
プロジェクトはAll or Nothing方式で展開され、支援者には「ライブチケット」のほか「詩の朗読音声」や「オリジナルTシャツ」「花譜さんからの直筆メッセージ」など多彩なリターンが用意されたのです。その独自性とファンの熱量が相まって、開始直後に目標額を突破しました。
最終的には目標の500万円を大きく上回る約4,000万円の支援を獲得し、バーチャルライブの可能性を広く示す成功事例となりました。
4.高田馬場「居酒屋わっしょい」の存続支援

東京・高田馬場で長年親しまれてきた居酒屋が、新型コロナウイルスによる来客減少で深刻な経営危機に直面し、CAMPFIREを通じてクラウドファンディングを実施しました。地域の常連客や遠方のファンから温かい支援が寄せられ、プロジェクトは大きな注目を集めました。
リターンには「感謝のメッセージ」や「オリジナルグッズ」、さらに「店内で使える食事券」など、実際に来店して楽しめる特典が用意され、支援者とのつながりを意識した内容となっています。目標額1,000万円に対して、最終的には2,625人からの支援により約2,000万円を集め、達成率は204%に到達したのです。
地域密着型の店舗がオンラインの力を活用して存続の道を切り開いた事例として、多くの人々に希望を与えました。
5.高校生たちが作成する幼児向け絵本

兵庫県立豊岡高校の生徒たちが主体となり、豊岡市の魅力を伝えるオリジナル絵本を制作・配布するクラウドファンディングをCAMPFIREで実施しました。スマートフォンの普及によって子どもたちが絵本に触れる機会が減少している現状をふまえ、地元の保育園や幼稚園へ絵本を届けて、読み聞かせの文化を広げようという思いが込められています。
印刷費や配送料などに充てるために支援を募り、返礼品としては生徒が制作した絵本が支援者に贈られました。内容の社会性が評価され、目標額100万円に対して150万円超の支援を達成。高校生たちの自主的な活動が地域と支援者の共感を呼び、教育的・地域貢献的な意義をもった成功事例となりました。
6.高校ダンス部の「ニューヨークへの挑戦」

三重県の高校ダンス部が挑戦したクラウドファンディングは、ニューヨークの名門アポロシアターでのパフォーマンス実現を目指した意欲的なプロジェクトです。学生たちの夢に共感した多くの支援者が集まり、開始当初から大きな反響を呼びました。
リターンとしては、部員からの直筆ポストカード、練習や公演の様子を収録したDVD、自主公演のVIP席チケットなど、応援者が成果を実感できる内容が用意されました。最終的には408人の支援を受け、目標金額100万円に対し約700万円を達成したのです。
達成率は705%という圧倒的な結果となり、生徒たちの情熱が支援という形で実を結んだ象徴的な成功事例となりました。若者の挑戦を応援する力が、多くの人の心を動かしたプロジェクトです。
7.甘ノ星ちろるさんの3D化

参考:甘ノ星ちろるさんの3D化
VTuberグループ「プロプロプロダクション」所属の甘ノ星ちろるさんは、自身の夢である3Dダンス披露を実現するためにクラウドファンディングを実施しました。本プロジェクトでは、3Dモデルの制作費用を主な資金用途とし、多くのファンの後押しを得る形でスタートしました。
リターンには「3Dお礼ムービー」や「PC用壁紙」、さらには「3Dモデルでの1on1通話」といった、ファンとの距離を縮める内容が用意。特典の魅力と応援したいという気持ちが重なり、目標金額150万円に対し、最終的に300万円を超える支援を達成しました。
甘ノ星ちろるさんの夢が多くの人の共感を呼び、現実に近づいた成功事例となりました。
8.革新的な財布「Tenuis3」

帆布製品を手がけるブランドが、クラウドファンディングで大きな注目を集めた事例です。今回のプロジェクトでは、厚さわずか6mmという紙のように薄いミニマル財布の販売を目的に立ち上げられました。
カードや硬貨を入れても膨らみにくく、携帯性と機能性を両立した革新的なデザインが支持を集めました。リターンには、支援者限定で割引購入できる特典が用意され、日常で活躍する実用的な商品として高い関心を獲得しています。
目標金額50万円に対し、最終的に4,633人から支援を受け、約4,400万円もの資金調達に成功しました。製品の魅力と実用性が支援の広がりにつながった好例です。
9.アニメ映画「この世界の片隅に」

アニメ映画「この世界の片隅に」の制作に向けて、製作委員会はクラウドファンディングを通じて支援を呼びかけました。このプロジェクトでは、単なる資金集めにとどまらず、支援者を“制作支援メンバー”として迎える独自の取り組みが行われました。
リターンには「エンドロールへの名前掲載権」や「支援者限定ミーティングの参加券」など、作品への参加意識を高める特典が多数用意され、中には100万円を超える高額リターンも設定されています。集められた資金は、スタッフの確保や映像の試作段階であるパイロットフィルムの制作に充てられました。
結果として、目標金額2,100万円に対し3,900万円以上を達成し、支援者との協働で作品の実現に大きく前進した成功例となりました。
10.海が一望できるプライベートサウナ付き「サウナスイート」

参考:海が一望できるプライベートサウナ付き「サウナスイート」
沖縄・石垣島にあるホテルが、新型コロナウイルスによる宿泊キャンセルの急増を受けて、クラウドファンディングで新たな挑戦を始めました。海を一望できる「サウナスイート」の新設を目指し、プロジェクトを立ち上げたところ、地域の魅力と非日常の滞在体験が共感を呼び、多くの支援が集まりました。
リターンには、サウナスイートの宿泊体験だけでなく、石垣島の特産を活かした冷凍ケーキや沖縄らしいデザインの食器などが含まれ、旅行気分を自宅でも楽しめる内容となっています。結果として335人の支援者が集まり、目標金額500万円に対して約2,300万円を調達できました。
地域と観光の未来に希望をつないだ成功事例です。

リターン品に缶バッジが選ばれる理由
クラウドファンディングにおけるリターンとして、缶バッジは多くの利点を備えた優秀なアイテムです。まず、制作コストが比較的低いため、予算を抑えながら幅広い支援者に行き渡らせられます。
さらに、プロジェクト独自のロゴやキャラクター、イベント限定のデザインを活用すれば、コレクション性の高いオリジナルグッズとして価値を提供できます。軽くて小さいため配送コストが低く、梱包や在庫管理の手間も最小限で済むのも大きな魅力です。
CAMPFIREやMakuakeなど、あらゆるジャンルのプロジェクトで採用されており、特に初めてクラウドファンディングに挑戦する人にとっては扱いやすいリターンと言えるでしょう。プロモーション効果も高く、支援者とのつながりを可視化できるアイテムです。
関連記事:【最新版】おすすめのオリジナル缶バッジ専門店10選|制作方法やサイズの特徴も徹底解説! – グラフィック機材株式会社

オリジナル缶バッジの制作に「缶バッジ研究所」がおすすめな理由

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さらに「Japan color標準印刷認証」を取得しているため、安定した印刷品質で商品をお届けしています。⇒缶バッジ研究所のサイトはこちらから

クラファン リターン品でよくある3つの質問
クラウドファンディングのリターン品について、支援者や実施者からよく寄せられる疑問にお答えします。
質問1.リターンなしでもプロジェクトは実施できる?
クラウドファンディングにおいては、必ずしもリターンを設定する必要はありません。特にCAMPFIREのような寄付型プロジェクトでは、返礼品を用意せず、共感や社会的意義を支援の動機とするケースが多く見られます。
とはいえ、リターンがない分、支援者に「この活動を応援したい」と強く思わせる明確な理由が求められます。成功しやすいのは、緊急性のある社会課題や、地域・福祉・教育など公共性の高いテーマに取り組んでいるプロジェクトです。
また、資金の使い道が具体的かつ多くの人の課題解決に寄与すると伝わる内容であれば、支援者の信頼を得やすくなります。リターンがなくても成立するためには「なぜ今これを支援すべきか」を明確に示すのが大切です。
質問2.魅力的なリターンを設計するコツは?
クラウドファンディングでは、公開直後の反応がプロジェクト全体の成否を左右するため、初動で支援を集める工夫が重要です。特に、数量限定や期間限定の割引リターンは、早期支援を促す強力な手段となります。
また、複数のリターンを用意すれば、一人の支援者が複数回支援を行う可能性が生まれ「支援者数」の表示を増やす効果も期待できます。支援者にとっては、選択肢の幅が広がれば参加しやすくなり、プロジェクト側にとっては賑わい感を演出することが可能です。
さらに、共感を得るためには、プロジェクトの背景や実現したい思いを丁寧に伝えましょう。リターンの魅力とストーリーの両輪で構成すれば、支援の拡大につながります。初動から計画的に設計された仕組みこそが、成功へとつながります。
質問3.クラウドファンディングの仕組みとは?
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を募る仕組みで、近年さまざまな分野で注目されています。従来の銀行融資や出資とは異なり、審査や担保を必要とせず、個人でも法人でも自由にプロジェクトを立ち上げられる手軽さが特徴です。
特にCAMPFIREやMakuakeなどのプラットフォームでは「新しい商品を世に出したい」「地域課題を解決したい」など、多様な目的での活用が進んでいます。支援者はその思いや構想に共感すれば、少額からでも応援でき、返礼品や活動報告を通じてプロジェクトに参加できます。
起案者と支援者が直接つながれるこの仕組みは、単なる資金調達にとどまらず、共感の輪を広げる新たな社会的ムーブメントともいえるでしょう。

まとめ
クラウドファンディングのリターン品は、支援者への感謝を表すだけでなく、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。本記事では、成功事例10選を紹介し、商品、金銭、体験、イベント参加、コミュニティ加入という5つのリターン品の種類について解説しました。
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