展示会でのマーケティング活動のメリットや効果の上げ方について知りたい企業担当者の方もおられるのではないでしょうか。展示会でのマーケティングを成功に導くには、出展の目的と目標を明確に設定する必要があります。
本記事では、展示会マーケティングのメリットや効果を上げるポイントについて解説します。また、展示会の効果測定に用いる指標についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
展示会マーケティングのメリットは5つ
展示会マーケティングのメリットについて解説します。
- 多くの見込顧客と接触できる
- 特定のテーマに興味がある人に接触できる
- 見込み顧客に対面で営業できる
- 既存顧客とのリレーションが構築できる
- 認知の拡大が図れる
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.多くの見込顧客と接触できる
展示会では、マスメディア広告やWeb広告、関連企業リストへのDMなどにより多数の来場者を集めることが可能です。とくに、大規模な展示会では、数万人の来場者が訪れることもあり、そのなかから数百人分の名刺を短期間で獲得できる場合があります。
出展企業にとって、このような展示会は多くの見込み客(リード)とコミュニケーションを取る絶好の機会であり、リードの母数を効果的に増やせるチャンスです。来場者のほとんどは情報収集が目的ですが、なかには具体的な企業や商材を目当てに来る人もおり、積極的な名刺交換により、リードリストを拡充できます。
2.特定のテーマに興味がある人に接触できる
特定のテーマで開催される展示会に出展するメリットの1つは、ターゲットとされた見込顧客が多く集まる点です。これにより、特定のテーマや課題に興味を持つ人々との出会いが期待でき、見込顧客としての確度が高い状態で接触ができます。
また、ある程度の方向性が定まった客層であれば、顧客のニーズや課題に応じてカスタマイズの提案もできるため、顧客のエンゲージメント向上が図れます。そのため、出展する展示会を選ぶ際は、自社の商材が展示会のターゲットや展示会の趣旨に合っているか見極めることが大切です。
3.見込み顧客に対面で営業できる
展示会は、見込顧客と対面でやりとりができる重要な機会です。顔を合わせてのコミュニケーションにより、商材やサービスの内容はもちろん、会社や社員の雰囲気を非言語情報として伝えられます。
また、相手の表情や言動から多くの情報を得られ、ニーズや課題を的確にキャッチできるため、スムーズなコミュニケーションが実現します。製品を実際に見て触ってもらう体験も共有できるため、創造性のあるアイデアを提案しやすいのも特徴です。
しかし、相手にネガティブな印象を与えないためには、展示会での対応やデモンストレーションを事前にしっかりと準備し、シミュレーションを重ねることが大切です。
4.既存顧客とのリレーションが構築できる
展示会は新規顧客獲得の場であると同時に、既存顧客との関係を深め、リレーションを構築する場でもあります。既存顧客の招待により、自社の理念やビジョン、新製品の構想をパネルやデモを通じて客観的に見てもらうことが可能です。
このコミュニケーションは、信頼関係をさらに深められるだけでなく、ブランディング効果を高め、ロイヤリティ向上にも寄与します。また、新製品や新サービスのプロモーション、さまざまなサポートの提供により、顧客満足度の向上も可能です。
5.認知の拡大が図れる
展示会は、多くの来場者が一度に訪れるイベントであり、自社の情報を広く伝え、認知を拡大する絶好の場です。これらのイベントは通常、「デジタルテクノロジー」「バックオフィス」「飲食店自動化」など、特定のテーマに焦点を当てており、そのテーマに興味を持つ人々が集まります。
これらの展示会に出展するだけでも、自社ブースに多くの目が向けられる可能性が高くなります。効果的に配置された看板やデモ機、チラシなどの展示物は、自社のブランディングとして機能し、強い印象を与えられる可能性が高いです。
展示会マーケティングの効果を上げるポイントは5つ
次は、展示会マーケティングの効果を上げるポイントについて解説します。
- 目的と目標を明確にする
- ターゲットが興味を持つブースを設営する
- 販促物やフライヤーを活用する
- 事前集客は念入りに行う
- 来場者へのアフターフォローを徹底する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.目的と目標を明確にする
展示会出展の効果を最大化するためには、まず「なぜ展示会に出展するのか」という目的を明確に設定し、それに基づいて達成したい「目標」を具体化することが大切です。
また、展示会では、顧客のニーズと時代の変化に適応し、中長期的な見通しで目的を設定する必要があります。さらに、展示会でのつながりは即座に商談につながらない場合も多いため、興味を持った来場者と積極的に名刺交換し、関係構築につなげるようにしましょう。
2.ターゲットが興味を持つブースを設営する
ブースは、来場者の第一印象に大きな影響を与えるため、多くの人を惹きつけられるかがポイントになります。たとえば、しゃれたロゴやおもしろいピクトグラム、インパクトのあるキャッチコピーなどの採用により、目に留まりやすいブースを演出できます。
また、来場者に「どのような製品・サービスか」「どのようなメリットや効果があるか」がすぐに理解できるように視覚的効果を工夫することが大切です。
3.販促物やフライヤーを活用する
来場者がブースを訪れるきっかけになるのが、魅力的なノベルティやフライヤーです。販促物の制作にはコストがかかりますが、ローコストでも工夫を凝らしたアイテムを選ぶことで、認知度の向上が期待できます。
さらに、おしゃれなデザインのノベルティは見込み顧客の獲得にもつながります。このように、ノベルティやフライヤーなどの配布物は、展示会でのマーケティング活動に欠かせない存在です。
なお、ノベルティグッズの種類については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:【2023年最新】おすすめのノベルティ種類10選|選ぶ際のコツやよくある質問も徹底解説! – グラフィック機材株式会社
4.事前集客は念入りに行う
展示会の成功は、事前の集客活動が鍵を握ります。効果的な事前集客には、さまざまなチャネルを駆使する多面的なアプローチが求められます。
具体的には、案内状の送付、自社ウェブサイトやブログなどのオウンドメディアでの告知、SNSを利用した広報活動などです。これらの多面的な事前活動により、展示会への関心と期待を高めることができ、展示会でのマーケティング活動を成功に導けます。
5.来場者へのアフターフォローを徹底する
展示会が終了したら、アンケートの回答などを記録したフォーマットを活用し、具体的な情報を基にカスタマイズされた個別のコミュニケーションを展開するのがおすすめです。とくに、興味を示した来場者には、詳細な資料やサイトのURLを添付して情報を提供し、営業担当者から連絡を取るなど、一層具体的なアプローチを試してみてください。
そのほかの見込み顧客は、積極的なセールスを避け、顧客視点で地道に情報を提供し続けることが大切です。また、リードに深い印象を残すためには、展示会の翌日の午前中に再度お礼のメールを送るのも効果的です。展示会の後も社内のスタッフによる後方支援を活用して、継続的なフォローアップを心がけましょう。
展示会の効果測定に用いる5つの指標
次に、展示会の効果測定に用いる指標について解説します。
- 来場者数
- リード数
- 商談数
- 受注数
- ROI(費用対効果)
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.来場者数
自社ブースへの来場者数は、主に商談の必要が少ない商品やBtoCの場合によく使われる重要な指標です。この指標の測定方法としては、人力でのカウントや人数カウント用カメラの設置が一般的ですが、アンケートの回答数、ノベルティの配布数といった方法でも測定できます。
自社ブースへの来場者数を把握し、展示会全体の来場者数に対してどれくらいの人が足を運んでくれたか、その効果を評価することが大切です。
2.リード数
展示会における効果測定の重要な指標の1つがリード数(名刺獲得数)です。名刺の獲得は、ビジネスチャンスの拡大に直結するため、目標設定もしやすいです。ただし、名刺獲得数だけでは不十分で、商談数や受注数が伴わない場合は、その後の改善対策が必要になります。
効率的にリードを評価するためには、名刺交換した人々の見込み度で点数をつけ、ランク分けする方法がおすすめです。とくに、BtoBの展示会では、成約に至るまでの時間が長いため、名刺の数を利用して、自社の製品やサービスに興味を持つ質の高いターゲット顧客のリードを見極める必要があります。
3.商談数
商談の獲得数は、BtoBビジネスにおいて、成果を測るための非常に有効な指標です。しかし、その場での成約や受注には至らないケースが多いため、商談数が前段階の成果として重要視されます。
ただし、商談と言っても状況は多岐にわたり、立ち話から始まる場合や、商談ブースでじっくり話す場合など、さまざまなケースが考えられます。そのため、どこまで話が進めば商談といえるのか、接客やアポイントも商談としてカウントするのかといった点を明確にするようにしましょう。
4.受注数
展示会で得られる利益として、最も明確な指標は受注数であり、その場で売れる商品やサービスを扱う場合は、とくに重要な指標の1つです。受注金額や件数をカウントし、普段の営業活動と比較するようにしましょう。
ただし、自社商品の単価に幅がある場合は、受注数だけでなく受注額も把握する必要があります。単価数百円の商品が数万円の商品より多く売れるのは自然なことであり、特定の数字に惑わされないように注意してください。
5.ROI(費用対効果)
展示会の効果を測定する重要な指標として、「投資利益率」(ROI:Return on Investmentの略)があります。ROIは、展示会での広告投資に対する利益の割合を示し、計算方法は「展示会で得られた総利益 ÷ 展示会にかけた費用 × 100」で算出します。
この指標により、出展の成果が投じたコストに見合ったものか定量的に評価することが可能です。具体的な計算においては、展示会にかかる費用として出展費用、ブース装飾・設営費用、販促物の作成費用、運営スタッフの人件費などが含まれます。
もし展示会だけでの利益算出が困難な場合には、獲得したリード数を用いてROIを計算する方法もおすすめです。このようにして得られた利益をパーセンテージで表現することで、投資に対してどれだけ効率的に利益を得られたかが明確になります。
展示会マーケティングでよくある3つの質問
最後に、展示会マーケティングでよくある質問を紹介します。
- 質問1.展示会で来場者を増やすには?
- 質問2.展示会当日の対応で注意すべきポイントは?
- 質問3.展示会のノベルティに期待できる効果とは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.展示会で来場者を増やすには?
展示会で集客に失敗する要因はさまざまですが、主な原因として挙げられるのは、出展目的の不明瞭さとそれに伴う集客施策の曖昧さです。また、スタッフが多すぎる場合、ブースに入りにくい雰囲気を醸し出し、来場者が避ける傾向にあります。
展示会での出展を成功させるためには、まず明確な出展目的を設定し、その目的に基づいた魅力的なブース設計が不可欠です。多くの来場者は事前に訪れるブースを決めているため、事前集客も重要です。
SNSやDMを活用して、「話を聞いてみたい」と思わせるような告知を行いましょう。さらに、ブースが何を提供しているのか一目で理解できるように、色やロゴを効果的に使用して、目に留まりやすく、好印象を与えられるデザインにしましょう。
質問2.展示会当日の対応で注意すべきポイントは?
展示会当日の対応は、集客に大きく影響するため、さまざまな面で工夫が欠かせません。まず、スタッフは臨機応変に行動できるように教育し、商品やサービスを効果的に説明できるようにセールストークを磨いておく必要があります。
また、来場者をスムーズにブースに導くためにスタッフの配置に気を配り、導線を確保する必要があります。さらに、ブース内に来場者がいない場合は、ノベルティグッズやチラシを配布しながら来場者を誘導しなければなりません。
このように、展示会に参加するスタッフは、その場の状況に応じて柔軟に対応できる対応力が求められます。
質問3.展示会のノベルティに期待できる効果とは?
展示会で配布されるノベルティには、企業名やサービス名のロゴが大きく入れられるのが一般的です。これにより、来場者がノベルティを使うたびにロゴが目に入り、企業名やサービス名を自然と覚える効果が期待できます。
さらに、ノベルティが来場者の生活に役立つ場合、「実用的なノベルティを配布している企業」というポジティブなイメージを与えることが可能です。
なお、ノベルティの効果については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【プロが教える】ノベルティの効果とは?配布するメリットや販促効果を高めるポイントを徹底解説!
まとめ
本記事では、展示会マーケティングのメリットや効果を上げるポイント、展示会の効果測定に用いる指標について解説しました。
展示会マーケティングには、多くの見込顧客との接点が持てるメリットや既存顧客とのリレーションを構築できるメリットがあります。しかし、効果を最大化するためには、展示会への参加目的と目標の明確化が欠かせません。
また、認知度を拡大し、商品やサービスに興味を持ってもらうためには、ノベルティグッズやフライヤーの活用が効果的です。ぜひ、この記事で紹介したポイントを押さえて、展示会マーケティングを成功に導いてください。
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