展示会に出展したいと考えている方で、展示会の概要やステップ、費用などを知りたい方もおられるのではないでしょうか。展示会は、企業が自社の商品やサービスを広く紹介する場であり、顧客との接点を作る大切なイベントであるため、事前準備が欠かせません。
本記事では、展示会に出展する目的や出展するメリット・デメリット、準備のステップをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
展示会に出展する目的とは?
展示会は、企業が自社の商品やサービスを広く紹介する場であり、顧客との接点を作るための大切なイベントです。一般的に、展示会は特定のテーマや分野にもとづき、出展者がそれに関連する製品を展示します。
来場者は、テーマに関連する商品を探しに訪れるため、出展者は自社の製品を適切な方法でアピールが可能です。たとえば、テクノロジー系の展示会では最新の技術や製品が紹介され、参加者はその分野の最新情報を得られます。
展示会は単なる製品紹介の場ではなく、新たなビジネスチャンスを生むための機会でもあります。
展示会の主な種類は3つ
次は、展示会の主な種類について解説します。
- 合同展示会
- 展示即売会
- パブリックショー
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.合同展示会
合同展示会は業界特化型のイベントで、特定のテーマにもとづくさまざまな企業が集まります。この展示会はビジネスショーといわれる形式で、「医療機器」や「工場設備」などの分野を対象にしている場合が多く、ビジネス向けであるのが一般的です。
このため、来場者の大多数は業界の専門家やビジネスパーソンで、主に取引や市場調査が目的になります。
2.展示即売会
展示即売会は、製品の販売が中心のイベントで、一般消費者が対象です。家具市場やアウトレットイベントがその代表例です。
主な目的は販売ですが、自社の新商品に対する消費者の反応を把握したり、他社の製品を比較するなどのマーケティング活動も含まれます。商品の販売が主な焦点となる場合、参加の表現は「出店」とされる点も特徴です。
3.パブリックショー
パブリックショーは、東京モーターショーやコミックマーケットのように、一般の消費者が広く参加できるBtoCのイベントです。このような展示会は、主に商品の販売を目的にしていますが、新商品の発表や企業のブランド戦略をアピールするためにも利用されます。
このため、開催の内容やテーマによっては、複数の企業やブランドが集まる合同展示会の形式が取られる場合もあります。
展示会に出展するメリットは3つ
次は、展示会に出展するメリットについて解説します。
- 企業や商品の認知度を上げられる
- 見込み顧客と接触できる
- 既存顧客との関係性を高められる
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.企業や商品の認知度を上げられる
展示会の規模によっては、来場者数が数百人から数万人規模に達するため、短期間で多くの人に自社の存在をアピールするチャンスが広がります。新規参入企業や認知度向上を目指す企業にとって、展示会はブランドや製品を効果的に広める機会です。
しかし、ただ出展するだけではなく、目を引くブース設営や来場者の動線を考慮した設計、訴求力のあるキャッチコピーの活用などが必要です。展示会の成功は、こうした工夫と戦略的なブースデザインがポイントになります。
2.見込み顧客と接触できる
対面での展示会では、来場者との対話のなかで、自社の製品やサービスを詳しく説明できるため、関心を持つ顧客を獲得するチャンスです。一方、オンライン展示会も短期間で多くの視聴者にアプローチできるため、顧客獲得の機会になります。
さらに、展示会では来場者との交流を通じて、名刺やデジタル情報を収集して、展示会後にこれらの顧客情報を活用して顧客育成や案件化を進められます。
3.既存顧客との関係性を高められる
展示会前に、既存顧客に無料招待状を送付しておくと、顧客との接触機会が増え、関係性を深められる可能性があります。直接の対話を通じて、新たなニーズの発掘や製品の提案がしやすくなります。
また、既存顧客からの紹介によって新しいビジネスチャンスを得られる可能性も高いです。展示会は、新規顧客だけでなく、既存顧客との信頼関係を築く絶好のチャンスにもなります。
展示会に出展するデメリット
展示会に出展する際のデメリットとしては、以下があげられます。
- 出展に伴うコストが高い
会場費やスタッフの人件費、機材の使用料など、多くの費用がかかるため、予算の計画が必要になる
- 準備に多くの時間を要する
展示会の準備には、ブースのデザインや運営の計画、当日の対応など、多くの作業が含まれる
- 商談の機会が限られている
来場者が情報収集を目的としている場合が多く、実際の契約につながりにくい
展示会の出展に向けた準備は5つのステップ
次は、展示会の出展に向けた準備のステップについて解説します。
- ステップ1.目的を明確にする
- ステップ2.出展する商品とターゲットを決める
- ステップ3.目標を設定する
- ステップ4.ブースのデザインを検討する
- ステップ5.出展前後の集客方法を検討する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ステップ1.目的を明確にする
展示会の主な目的には、新たな顧客の獲得やブランドの認知度向上、既存顧客との関係強化などが含まれますが、これらの目的を具体的に定めることが大切です。展示会の企画や準備は、設定した目的にもとづいて進めるべきだからです。
また、ターゲットとなる顧客層を明確にして、それに合ったブースの設計やPR戦略を立てておくと、効果的な成果を得られやすくなります。目的とターゲットをしっかりと設定し、それに合わせた計画を立てるのが成功への第一歩です。
ステップ2.出展する商品とターゲットを決める
展示会で効果的にアピールするためには、出展する商品を厳選して、インパクトを最大化する工夫が求められます。商品数を絞ると、来場者に強い印象を与えやすくなります。
また、展示会のテーマや来場者のニーズをしっかりと把握して、ターゲットに合わせた商品選定を心がけるのがポイントです。たとえば、新商品を強調するのか、既存の人気商品を前面に出すのかは、展示会の目的やターゲットに依存します。
ステップ3.目標を設定する
定めた目的に対して、具体的な数値で目標を設定するようにしてください。たとえば、目的を「新規顧客の獲得」と定めた場合、目標として「契約数」や「名刺交換数」などの数値を具体的に設定しましょう。
数値目標を設定すれば、展示会の成果が測りやすく、戦略を練りやすくなります。たとえば、新規出展の場合は、全体の来場者数の一定割合を目標にするのが一般的です。また、過去の出展実績があれば、それにもとづいて目標を調整するのもおすすめです。
ステップ4.ブースのデザインを検討する
来場者が自然に足を運びやすいように、入り口から出口までの動線を工夫しましょう。また、目に留まりやすくするために、展示品やパネルの配置にも工夫が必要です。
視認性を高めるためには、5m程度離れた位置からでも見えるように、大きな文字や鮮やかな映像を使用するのもおすすめです。また、設営に関しては、主催者に依頼する方法もありますが、自社で設営する場合は、業者選定や計画を早めに進めましょう。
ブースのデザインとレイアウトは、ブランドイメージと来場者の体験に直結するため、慎重に考えなければなりません。
なお、集客できる展示会ブースの特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:集客できる展示会ブースの特徴は3つ|意識すべきポイントや出展する際のステップをご紹介!
ステップ5.出展前後の集客方法を検討する
展示会開催前に実施する準備として、展示会の詳細をターゲット層に周知することが大切です。自社のウェブサイトやSNSを駆使して、イベントの情報を広く発信し、興味を持ってもらうための手段としてメールや案内状を送付しましょう。
一方、展示会当日は、積極的なアプローチが求められます。スタッフによる直接の声掛けやノベルティの配布は、通りがかりの人の興味を引くのに効果的です。
さらに、ノベルティやリーフレットの配布などで競合と差別化し、より多くの来場者を引き寄せられます。また、展示会終了後には、参加者に向けたフォローアップの実施も大切です。
展示会の出展にかかる5つの費用
次は、展示会の出展にかかる費用について解説します。
- 出展料
- ブースの施工費用
- ブースの装飾費用
- 集客費用
- 販促費用
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.出展料
出展料はブースの面積にもとづいて決まりますが、展示会の規模や集客力によって異なる場合があります。一般的に、ブースは「小間」という単位で計算され、1小間の料金は20万円〜50万円程度となります。
展示品や体験スペース、商談エリアの大きさを考慮してブースの広さを決める必要がありますが、はじめての場合は1〜2小間で出展するケースが多いです。広すぎるブースは空きが目立ちやすく、来場者に人気がない印象を与える可能性があるため、適切なサイズを選ぶようにしましょう。
また、ブースの位置によっては追加費用が発生したり、常連企業には優先的に位置が割り当てられたりするため、事前に位置や出展料を確認しておきましょう。
2.ブースの施工費用
展示会ブースの設営には、デザインや床、壁の工事、照明や電源の設置などが必要です。展示会によっては、これらの費用が出展料に含まれていたり、簡単に設置できるパッケージブースが選べたりする場合もあります。
費用は小規模で50万円から、大規模では1千万円を超える場合もあります。コストを抑えるために、主催者提供のパッケージブースを利用する方法もありますが、デザインの選択肢が限られるため、独自性が損なわれかねません。
また、自社で製作する場合、コスト削減と個性を両立できますが、知識のないスタッフによる設営は品質に影響します。展示会の効果を最大化するためには、専門業者への依頼も検討するのがおすすめです。
3.ブースの装飾費用
展示会のブース装飾には、サインやロゴ、デジタルサイネージ、音響設備、販促用のポスターやのぼり、商品展示用の棚やデスクなどが含まれます。装飾の仕方は競合と差別化し、来場者の興味を引くために大切ですが、派手すぎると逆に近寄りにくい印象を与えかねません。
このため、ブランドイメージや商品コンセプトに合わせた装飾が求められ、コストと効果のバランスを慎重に検討しなければなりません。また、レンタル機材の利用や長期的な展示計画を見越してアイテム選びを工夫すれば、コストを抑えられます。
4.集客費用
展示会に出展する際の費用には、事前の集客施策や当日の運営にかかるコストが含まれます。事前集客としては、招待状の作成や展示会専用のホームページの制作などが挙げられます。
こだわった封筒や紙質を使用して招待状を作った場合の費用は、100部あたり3〜5万円です。さらに、ホームページの新規作成には数十万円がかかる場合もあります。
また、当日の集客においては、ノベルティやリーフレットの作成、コンパニオンの起用などが欠かせません。ノベルティの品質やデザインによって費用は異なり、必要予算として数万円以上が一般的です。
これらの費用は、外注するか自社で準備するかで大きく変動するため、費用対効果を考慮して適切に選択してください。
なお、展示会でノベルティを配布する効果については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:展示会でノベルティを配布する効果は?もらうと嬉しい選び方のコツやおすすめグッズをご紹介!
5.販促費用
展示会限定サービスや特典、抽選会などを活用して、イベントのテーマや雰囲気に合わせて売上を促進させる施策が必要です。また、商品の輸送費用や、開催地が遠方の場合の出張費など、関連する追加費用もあらかじめ計算しておきましょう。
これにより、展示会の準備が円滑に進み、より効果的なプロモーションが実現できます。
展示会出展でよくある3つの質問
最後に、展示会出展でよくある質問について紹介します。
- 質問1.日本で開催されている展示会の数は?
- 質問2.展示会に出展する際の注意点は?
- 質問3.オンライン展示会とは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.日本で開催されている展示会の数は?
日本では、年間約800件の展示会が開催されています。展示会の種類は多岐にわたり、「産業機械」「計測機器」「電気・電子機器」「環境・エネルギー」「食品・飲料」などがあります。
展示会は主にBtoB向けが基本でしたが、最近ではBtoC向けのイベントも増加しているのが特徴です。こうした展示会では、ビジネスデーと一般デーの分離や、異なる会場の使用などで来場者の管理がされています。
質問2.展示会に出展する際の注意点は?
展示会に出展する際の注意点としては、以下が挙げられます。
- 目的を明確に設定する
一貫した計画と明確な目的設定が欠かせない
- 事前準備は計画的に進める
ブース設営やノベルティの発注など、外注する業務はスケジュールに余裕を持たせて進める
- スタッフ構成
適切な人員配置と役割分担で、来場者対応や商談をスムーズに進める
- 終了後のフォローを徹底する
展示会で獲得した顧客情報をもとに、新たな見込み客へ適切なタイミングでお礼メールや資料送付などのフォローアップが必要になる
- 自社に合ったテーマの展示会を選ぶ
テーマに合った商品やサービスを展示すれば、より効果的な成果をあげられる
- ブース装飾はほどほどに
来場者が入りやすい環境を整えるため、過度な装飾には注意する
質問3.オンライン展示会とは?
オンライン展示会は、インターネットを利用して開催される新しい形式のイベントで、参加者と出展者がオンライン上で交流します。物理的な会場に足を運ぶ必要がなく、移動の手間が省けるため、時間やコストの削減が可能です。
しかし、オンライン展示会では直接の対面がないため、商品の実物を手に取ったり、触れたりできません。このため、従来の展示会と比較して物足りなさを感じる場合もあります。
まとめ
本記事では、展示会に出展する目的や出展するメリット・デメリット、準備のステップをご紹介しました。
展示会は特定のテーマや分野にもとづき、出展者がそれに関連する製品を展示します。展示会の種類は、ビジネス向けの合同展示会や製品販売が中心の展示即売会、一般消費者が幅広く参加可能なBtoCのパブリックショーの3つです。
企業としては新たなビジネスチャンスやブランドの認知度向上、新サービスの発表が期待できます。さらに、既存顧客との関係性を深められるのもメリットです。
しかし、展示会の出展には、出展料やブースの施工費、装飾費、集客費用、販促費用などが必要です。自社でブースの施工や装飾、集客施策を対応する場合、コスト削減と個性を両立できますが、十分な知識がないと品質に影響がでるため、ブース設営や集客施策などは外注への依頼を検討しましょう。
また、展示会当日の集客においては、ノベルティやリーフレットの作成、コンパニオンの起用などが欠かせません。ノベルティは、品質やデザインによって費用が異なるため、事前に計画に入れておくのがおすすめです。
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