箔押し加工は、紙や革などの素材に金属箔を熱と圧力で転写する特殊な印刷技術です。この加工方法は、華やかさと高級感が印象的でブランドロゴや特別なメッセージなど、さまざまな用途に活用されています。
本記事では、箔押し加工の概要やメリット・デメリット、使用される箔の主な種類をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
箔押し加工とは?
箔押し加工は、紙や革などの素材に金属箔を熱と圧力で転写する特殊な印刷技術です。この技法の特徴は、加工部分が立体的な質感や輝きを持つため、シンプルなデザインでも際立つ存在感を生み出します。
さらに、ブランドロゴや特別なメッセージなどに用いられる場合が多く、華やかさと高級感が印象的です。また、箔の種類も豊富で、金箔や銀箔だけでなく、カラー箔やマットな質感の箔も選べるため、用途やデザインのコンセプトに合わせた幅広い表現が可能です。
箔押し加工のメリット・デメリット
次は、箔押し加工のメリット・デメリットについて解説します。
- メリット
- デメリット
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
メリット
箔押し加工は、特別感や高級感を簡単に演出できる点で多くの場面で重宝される技術です。通常のインク印刷では得られない質感や輝きが特徴で、触れたときの独特な感覚も魅力のひとつです。
この加工は、金や銀などの金属箔をはじめ、ホログラムやカラーバリエーションも豊富に取り揃えられており、選ぶ箔の種類によってデザインの印象を自由に変えられます。さらに、箔押しは紙以外の素材にも対応可能です。
たとえば、革やプラスチックにも加工できるため、ノベルティや高級パッケージ、クリアファイルなど幅広い用途に活用されています。また、ほかの加工技術と組み合わができるため、洗練された仕上がりになり、見る人の心を引きつける印象深いデザインを実現します。
デメリット
箔押し加工のデメリットとして、以下があげられます。
- 専用の型が必要
加工に必要な型により、コストの負担になるため、小ロットでは割高になる場合がある
- 紙や箔の相性
毛羽立ちのある紙や凸凹のある用紙を使用する場合、箔がうまく圧着せず、仕上がりに問題が生じる可能性がある
- 箔が剥がれるリスク
冊子や折り加工が絡む場合は、PP加工と組み合わせて、耐久性を向上させる場合が多い
- 高額になる
複数のデザインを箔押しする場合、版代や加工コストがかかるため、デザインの計画段階から慎重に進める必要がある
箔押し加工に使用される箔の主な種類は3つ
次は、箔押し加工に使用される箔の主な種類について解説します。
- メタリック箔
- 顔料箔
- ホログラム箔
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.メタリック箔
メタリック箔での加工では、種類の豊富さが大きな魅力です。定番の金箔は、重厚感と日本らしい風情が特徴で、伝統的な祝い事やパッケージに最適です。青金は、洗練された印象を与えますが、銀箔はスタイリッシュな表現になり、紙の色に応じて上品さや豪華さを引き出します。
さらに、多彩なカラーバリエーションも展開されており、レッドやブルー、ピンクといった明るい色彩から、透明箔やレインボー箔といった特殊効果のある種類まで揃っています。透明箔は、既存のデザインに繊細な光沢をプラスし、パール箔は控えめながらも高級感のある仕上がりを実現します。
2.顔料箔
顔料と樹脂を基材とした顔料箔は、光沢感を抑えたマットな仕上がりが特徴です。クレヨンのような柔らかな質感が魅力で、メタリック箔のようなキラキラした輝きではなく、落ち着いた雰囲気を演出します。
この箔は遮蔽力が高く、用紙の下地色の影響を受けにくいため、選んだ箔色をそのまま鮮やかに表現できる点がポイントです。ナチュラルなデザインや高級感よりも親しみやすさを重視したい場合に適しており、幅広いデザインの場面で活用されています。
3.ホログラム箔
ホログラム箔は、光の角度に応じて色が変化する特殊な光沢を持ち、独特な偏光性が際立つ素材です。この特性により、視覚的なインパクトが大きく、華やかで目を引くデザインに最適です。
また、デザインのアクセントとして使用されるだけでなく、複製が難しいため、偽造防止の手段としても広く利用されています。たとえば、紙幣や公式文書、特別なパッケージやノベルティグッズにも採用され、機能性と装飾性を兼ね備えた優れた箔として評価されています。
箔押し加工に向いている印刷物は3つ
次は、箔押し加工に向いている印刷物について解説します。
- 名刺
- ポストカード
- 冊子
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.名刺
名刺に箔押し加工を取り入れると、印象的で他と差別化されたデザインを実現できます。金箔や銀箔を用いれば、名刺全体に高級感と洗練された雰囲気を加えられます。また、濃い色の特殊紙との組み合わせは、シンプルながらもエレガントな仕上がりで、受け取った相手の記憶に残りやすいです。
さらに、天金加工のような側面に箔を施す技術を活用すれば、名刺を積み重ねた際の見栄えも向上して、細部にまでこだわりを感じさせるデザインとなります。しかし、情報の視認性を確保するために、箔の種類や配置には注意が必要です。デザイン性と実用性のバランスが欠かせません。
2.ポストカード
ポストカードに箔押し加工を加えると、通常のデザインがより印象深く仕上がります。たとえば、文字や特定のデザイン部分に箔を使えば、視覚的なアクセントが生まれ、宣伝や広告としての効果が向上します。
また、結婚式や記念日などの特別なイベント用の招待状としても活用でき、箔の華やかさが大切な場面をさらに引き立てます。金箔や銀箔は、高級感と洗練された雰囲気の演出に最適です。
イラストや写真の一部に箔を施して、シンプルさを保つと、全体のバランスを保ちながら上品な仕上がりが期待できます。ポストカードをノベルティやプレゼントとして利用する際にも、箔押し加工は特別感を伝えるのに効果的です。
3.冊子
スマートフォンで撮影した写真を使って簡単にフォトブックが作れるサービスが増え、旅行や記念日の思い出を手軽に残せるようになりました。特別感を演出したい場合、箔押し加工を取り入れるのがおすすめです。
たとえば、表紙のタイトル部分に金箔や銀箔を使用するだけで、フォトブック全体が上品で洗練された雰囲気になります。また、天金加工を施せば、閉じた際に小口部分がキラリと輝き、印象的な仕上がりです。
さらに、箔押し加工は、写真だけでなくフォトブック全体のデザインにこだわりを感じさせ、何度でも見返したくなる特別な一冊を作り上げます。
箔押しとはでよくある3つの質問
最後に、箔押しとはでよくある質問について紹介します。
- 質問1.箔押し加工の注意点とは?
- 質問2.データを作成する際の注意点は?
- 質問3.箔押し加工の外注を成功させるポイントは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.箔押し加工の注意点とは?
箔押し加工の注意点は、以下のとおりです。
- 納期が長い
箔押し加工は通常の印刷に比べて工程が複雑であるため、納品までに時間がかかる場合がある
- コストが高くなる
箔押しは専用の材料や加工技術を使用するため、コストが高くなる傾向がある。予算内に収めるためにも、事前に料金を確認して、コストパフォーマンスの検討が不可欠
- 細かい文字や図柄が潰れやすい
細かいデザインをそのまま箔押しする場合、文字や図柄が潰れてしまうリスクがある。このため、大きめでシンプルなデザインを心がけ、仕上がりイメージについて業者と十分に確認する必要がある
質問2.データを作成する際の注意点は?
箔押し加工用のデータを作成する際の注意点は、以下のとおりです。
- 細かい文字や模様は避ける
箔はインクのように精密な表現が難しく、擦れやズレが生じる可能性があるため、文字の太さやサイズを加工業者に確認しておくと安心
- 箔押し部分と印刷部分のデータは分けて用意する
印刷部分は通常フルカラー、箔押し部分は黒一色でデータを作成すると、加工がスムーズに進む
- デザインの配置
折り目や断ち部分に箔がかかると、剥がれるリスクが高まる。このため、加工時のズレを考慮して、縁取ったデザインや繊細な位置合わせが必要な要素は避ける
質問3.箔押し加工の外注を成功させるポイントは?
特殊加工のひとつである箔押し印刷を採用する際は、仕上がりのクオリティに十分注意をしなければなりません。コストを重視して発注先を選ぶと、期待していた仕上がりと異なり、後悔するケースもあります。
このため、過去の実績やサンプルを確認し、技術力のある業者を選びましょう。また、箔押し印刷は通常の印刷よりも工程が多く、短納期での対応が難しい場合が一般的です。
スケジュールの余裕を持たせ、早めに発注先と打ち合わせをすると、希望する仕上がりに近づけます。イベントや記念品などで使用する場合は、スケジュール管理を徹底して、納期に間に合うよう準備を進めてください。
まとめ
本記事では、箔押し加工の概要やメリット・デメリット、使用される箔の主な種類をご紹介しました。
箔押し加工の特徴は、加工部分が立体的な質感や輝きを持つため、シンプルなデザインでも際立つ存在感を生み出します。また、箔の種類も多く、金箔や銀箔のメタリック箔や、顔料箔やホログラム箔などの豊富な種類から選べるため、用途やデザインのコンセプトに合わせた幅広い表現が可能です。
さらに、通常のインク印刷では得られない質感や輝きが特徴で、触れたときの独特な感覚も魅力です。さらに、箔押しは紙以外の素材にも対応できます。
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