磁石やマグネットを処分する際、何ゴミに分類すればよいのか迷うことは珍しくありません。不適切な方法を選んでしまうと、思わぬトラブルの原因につながるため注意が必要です。
この記事では、磁石やマグネット、マグネットシートの正しい分別方法に焦点をあてて詳しく解説します。処分する際の疑問や不安を解消し、安心して処理できるようにしましょう。
磁石やマグネットは何ゴミ?
基本的に、磁石やマグネットは燃えないゴミとして扱われます。これは、磁石がさまざまな鉱石を原料として作られており、燃えるゴミとして処理すると環境汚染の原因になるからです。
しかし、自治体によって分別方法には差があり、詳細は各自治体に確認が必要です。大きな磁石やマグネット、複合素材でできたものは「粗大ごみ」や「危険物」として扱われることがあります。
また、マグネット単体とそれ以外の素材が合わさっている場合は、可能であれば分解し、それぞれ適切な方法で処分しましょう。
マグネットシートの分別方法
マグネットシートは「燃えないごみ」として扱われる場合と「燃えるごみ」として扱われる場合があります。これはシートが酸化鉄と樹脂で構成されており、その上に印刷された絵柄が紙であることが影響しています。
しかし、マグネットシートの扱いにおいては、数量が重要です。数枚程度であれば問題なく処理できるものの、数十枚など多量になると、磁力の増大により回収車の壁面や他のゴミに張り付き、事故の原因となる可能性があります。
したがって、大量に処分する際は自治体に事前確認しましょう。
磁石やマグネットを処分する際の注意点は3つ
磁石やマグネットを処分する際の注意点を紹介します。主に次の3つです。
- 磁気の影響を抑える
- 小分けにして処分する
- ネオジム磁石の取り扱いに注意する
項目ごとに詳しくみていきましょう。
1.磁気の影響を抑える
磁石を処分する際は、磁気の影響を最小限に抑えるための配慮が必要です。磁力が弱い場合は、新聞紙でしっかりと包むことで磁気が周囲に及ぼす影響を軽減できます。
複数枚の新聞紙を使用して厚く包むのがポイントです。これにより、捨てられた磁石がごみ収集車内で他のごみに影響を与えたり、作業員に怪我をさせるリスクを減らすことができます。
一方、磁力が強い磁石の場合は、鉄製の入れ物などに入れて処分するのがおすすめです。鉄製の容器は磁力を遮断する効果があり、磁石が外部に影響を及ぼすのを防ぎます。
2.小分けにして処分する
大量の磁石をまとめて処分すると、磁力が互いに影響を与え合い、思わぬ問題や事故を引き起こす可能性があります。このようなリスクを避けるため、小分けにして少しずつ処分しましょう。
また、頻繁に多くの磁石を処分する方は、脱磁器を使用するのも方法のひとつです。市販の脱磁器を使うと、磁石の磁力を弱めることができ、処分が容易になります。
3.ネオジム磁石の取り扱いに注意する
ネオジム磁石はとくに磁力が強いため、反応するものが近くにあると瞬時に引き寄せる力を持っています。また、粉々になったものが発火する危険性も伴います。
ネオジム磁石を他のものと触れ合わないよう、新聞紙や包装材で厳重に包みましょう。これにより、磁石が他の金属や磁性を持つ物質と接触し、予期せぬ事故を引き起こすのを防ぎます。
磁石やマグネットの再利用方法は2つ
磁石やマグネットは、再利用が可能です。主な再利用方法は次の2つが挙げられます。
- リサイクル業者に回収してもらう
- リメイクする
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.リサイクル業者に回収してもらう
リサイクル業者に磁石を回収してもらう方法は、環境に優しく、資源の再利用を促進する効果的な手段です。特に、ネオジム磁石のようなレアアースを含む磁石は、希少性と再利用の価値から、多くの回収業者が積極的に回収しています。
リサイクルを希望する場合は、地域のリサイクル業者を調べ、磁石の回収が可能か直接問い合わせると安心です。
回収を依頼できるのは、「一般廃棄物収集業」の許可を持つ業者のみであり、「産業廃棄物収集運搬業許可」、「産業廃棄物処理業許可」、「古物商」などの許可や免許を持つ業者では、家庭からの廃棄物を回収することができません。
無許可で営業している業者に依頼してしまうと、不法投棄や不適切な管理による火災などのリスクがあるため注意してください。
2.リメイクする
家庭によくある広告がプリントされたマグネットシートを有効活用するには、リメイクがおすすめです。
まず、不要になった広告つきのマグネットシートをぬるま湯に浸します。これにより、広告部分が綺麗に剥がれやすくなります。
広告を剥がしたあと、マグネットシートにお気に入りの写真や子どもが描いた絵、ステッカーを貼り付けます。デザインの輪郭に沿ってシートを切り抜けばオリジナルマグネットの完成です。
磁石やマグネットは何ゴミでよくある3つの質問
最後に、磁石やマグネットは何ゴミでよくある質問にお答えします。
- 質問1.磁石やマグネットに他の素材が含まれている場合は何ゴミ?
- 質問2.マグネットシートは燃やしても大丈夫?
- 質問3.自作でオリジナルマグネットシートをつくる方法は?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問1.磁石やマグネットに他の素材が含まれている場合は何ゴミ?
磁石が単独で取り外し可能な場合は、磁石を「燃えないごみ」として処理し、残りの部品はそれぞれの素材に基づいて適切に分別するのが理想的です。
一方で、製品に密接に組み込まれており、磁石を単独で取り出すことが難しい場合や、磁気を含む原材料が分解できない形で使用されている場合があります。これらの状況では、製品全体を「燃えないごみ」として処理します。無理に分ける必要はありません。
ただし、例外として、クレジットカードなど磁気を含むカード類は、「燃えるごみ」として処理することが一般的です。
分別は、製品が持つ構造や素材によって異なるため、迷った場合は各自治体に問い合わせましょう。
質問2.マグネットシートは燃やしても大丈夫?
焼却施設のゴミ処理は800度を超え、ほとんどのゴミを灰に変えています。マグネットシートも例外ではなく、高温で安全に燃やされることで、有毒ガスを発生させることなく、一般的な可燃ゴミと同様の処理を受けられます。
しかし、個人でマグネットシートを焼却する場合は注意が必要です。自宅での焼却は、専門の焼却施設のような高温は難しく、不完全燃焼による有害ガスの発生や、燃え残りが生じる可能性があります。
したがって、マグネットシートを自分で燃やすことは避けるべきであり、安全かつ環境に配慮した処分方法を選択し、必要な場合は自治体への相談をおすすめします。
質問3.自作でオリジナルマグネットシートをつくる方法は?
自作でオリジナルマグネットシートをつくる方法を紹介します。主に次の2つです。
- チラシやステッカーを貼り付ける
- 家庭用プリンターを使用する
次のページでは、自作でマグネットシートをつくる方法や手順を詳しく紹介しています。オリジナルマグネットを自作したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:自作でオリジナルマグネットシートをつくる方法|手順やよくある質問を徹底解説!
まとめ
マグネットや磁石、マグネットシートの処分方法は、地域によって異なります。
不適切な方法で処分すると、予期せぬ事故の原因となります。そのため、処分する際は、細心の注意を払い、地域のルールに従って正確に分別しましょう。
また、すぐに捨ててしまうのではなく、再活用の可能性を探ることも、持続可能な社会への貢献につながります。