磁石にくっつく金属の種類は?くっつく仕組みやよくある質問をご紹介します!

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  • 投稿カテゴリー:マグネット
  • 投稿の最終変更日:2024-05-06

磁石は日常生活で頻繁に使われるものであり、私たちの身のまわりに常に存在しています。しかし、磁石がどのような原理で、なぜ特定の物質にくっつくのか、詳しく知らない人も多いでしょう。

この記事では、磁石がくっつく仕組みや、くっつく物質・くっつかない物質の違いを解説します。磁石の魅力と科学的な原理を、一緒に探求していきましょう。

鉄などに磁石がくっつくのはなぜ?

磁石には、引力と斥力を生み出す「磁力」が存在し、この力は磁石のS極とN極から発生します。異なる極同士が引き寄せ合う一方で、同じ極同士は反発します。

では、なぜ磁石ではない鉄などの物質が磁石とくっつくのでしょうか。それは、「磁気誘導」という現象があるからです。

鉄に磁石を近づけると、鉄内の目に見えない小さな「分子磁石」が同一方向に整列し、鉄自体が磁石のように振る舞い始めます。これにより、鉄は磁石に引きつけられるのです。

また、磁石から離すと、鉄内の分子磁石は元の無秩序な状態に戻り、磁力は失われます。

なお、磁石には自然に磁力を持つ永久磁石と、電流を通じてのみ磁力を発揮する電磁石の二種類があり、それぞれ異なる用途に使われます。

磁石にくっつく金属の種類

金属であれば磁石にくっつくイメージを持っている方も多いですが、金属の種類によって「くっつくもの」と「くっつかないもの」があります。

ここでは、磁石にくっつく金属の種類を詳しく紹介します。

強磁性体

磁石を近づけた際に磁気を帯びる特性を持つ物質を、磁性体と言い、磁性があると表現されます。その中でも、特に磁石と強く反応する物質を指して「強磁性体」と称します。

鉄、コバルト、ニッケルなどがその代表例です。

また、強磁性体はその磁性の持続性によってさらに細分化され、磁力が短時間で消失する「軟磁性体(ソフト)」と、長期間磁力を保持する「硬磁性体(ハード)」に大別されます。

常磁性体

常磁性体は、磁石に比較的弱く反応する磁性体です。この性質を持つ物質は磁石と軽くくっつくものの、その引力は弱く、場合によってはまったく反応しないこともあります。

複数の素材からできているものは、くっつく力が弱い傾向にあります。たとえば、合金鋼の一種であるステンレスは200種類以上存在し、その磁性は使用される金属の割合や種類によって異なります。

また、特定の物質が磁石にくっつくかどうかは、含まれている成分の比率にも大きく依存します。たとえば、紙幣に使われる特殊インクは防犯目的で微量の磁性を持ち、強力な磁石があれば反応しますが、通常はその磁力は非常に弱いです。

さらに、物体の表面の形状や凹凸、曲がり具合によっても磁力の効果は変わり、それが磁性体の反応に影響を及ぼします。

磁石にくっつかない物質

磁石にくっつかない物質は、反磁性体と呼ばれます。これらの物質は、原子レベルで磁石を持たないか、あるいは持っていてもその磁場の方向がバラバラであるために磁力を発揮しません。

多くの金属が反磁性を示しますが、特に金、銀、銅、アルミ、クロム、チタンなどは磁石に反応しない代表例です。これらの金属は、電気を良く通す特性を持ちながら、磁力の直接的な影響を受けません。

また、日本の硬貨である50円玉、100円玉、500円玉はニッケルを含むものの、含有率が低く、磁石にはくっつかないのが特徴です。非金属の中では、紙、木、アクリル、プラスチック、水なども磁石にくっつかない反磁性体として知られています。

磁石にくっつく金属でよくある4つの質問

最後に、磁石にくっつく金属でよくある質問にお答えします。

  • 質問1.磁石にくっつく金属は?
  • 質問2.原子磁石を持っている物質はすべて磁石にくっつく?
  • 質問3.磁石はどのように処分すればいい?
  • 質問4.マグネットシートとは?

それぞれ詳しくみていきましょう。

質問1.磁石にくっつく金属は?

磁石に反応する金属は主に鉄、コバルト、ニッケルです。これらは日常生活でよく見かける素材で、鉄は自動車のボディや缶詰、コバルトはスマートフォンやノートパソコンのリチウムイオン電池に使用されています。

ニッケルは単体での使用は少ないものの、鉄やクロムと合わせてステンレス鋼を形成する重要な成分です。ステンレス鋼においては、鉄の含有量によって磁石にくっつくかどうかが決まります。

また、日本の硬貨である50円玉、100円玉、500円玉もニッケルを含む合金から作られていますが、ニッケルの含有率が低いため、これらの硬貨は磁石には反応しません。

質問2.原子磁石を持っている物質はすべて磁石にくっつく?

磁石を近づけてもくっつかない物質には、2つのタイプがあります。

1つ目は、そもそも原子磁石を持っていないタイプで、紙やプラスチックなどが該当します。これらの物質は磁気誘導も起こらず、磁石に反応することはありません。

2つ目は、原子磁石を持つにもかかわらず磁石にくっつかないタイプです。これは、その物質内の原子磁石の向きがバラバラであるため、統一された磁場を形成することができず、磁石のように振る舞うことができないからです。

ただし、これらの原子磁石の向きを一方向に揃える技術があれば、その物質を磁石として機能させることも可能になります。

質問3.磁石はどのように処分すればいい?

基本的に、磁石やマグネットは燃えないゴミとして扱われます。これは、磁石がさまざまな鉱石を原料として作られており、燃えるゴミとして処理すると環境汚染の原因になるからです。

しかし、自治体によって分別方法には差があり、詳細は各自治体に確認が必要です。大きな磁石やマグネット、複合素材でできたものは「粗大ごみ」や「危険物」として扱われることがあります。

次のページでは、磁石やマグネット、マグネットシートの正しい分別方法を紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:【プロが教える】磁石は何ゴミ?マグネットシートの分別方法や処分する際の注意点を徹底解説! – グラフィック機材株式会社

質問4.マグネットシートとは?

マグネットシートは、裏面にマグネット着磁ができ、表面にカッティングシートやインクジェット出力したメディアを貼りつけてサインや広告物を制作できる便利なシートです。

このシートの特長は、冷蔵庫のドアや車などのスチール面に対して着脱が簡単にできる点であり、切断加工も可能なため、オリジナルのマグネットステッカー制作に適しています。

次のページでは、マグネットシートの特徴や活用メリットを紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:【プロが教える】マグネットシートとは?特徴や活用するメリット、よくある質問をご紹介! – グラフィック機材株式会社

まとめ

ここまで、磁石が鉄などにくっつく理由や、磁石に反応するものと反応しないものの違いについて解説しました。磁石は私たちの日常生活で頻繁に使用されていますが、動作原理や、どのような物質が磁力に反応するかについては、詳しく知られていないことも多いです。

この記事が、磁石の仕組みを理解し、その魅力を再発見するきっかけになれば幸いです。さらに深く学ぶことで、新たな発見があるかもしれません。

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